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本 Archive

不安の種

かなりどグッとくるマンガを発見。

ちょっと前からトラウマ続出とネットで話題になっていた「おちょなんさん」。(閲覧注意!)

その姿があんまりにも不気味なせいで話題になり、見た者たちがその恐怖を和らげるために(としか思えない)いじりまくっているので、あちこちで変なムーブメントが生まれています。なんだかんだで立派な愛されキャラです。

こういう都市伝説系の話には目がないので、「不安の種」1巻を買ってみましたよー。

※ちなみにこの巻には「おちょなんさん」は登場しません。どうやら別シリーズの「不安の種+(プラス)」に出てくるようです。

<特徴>

・オムニバス形式

・どの話もかなり短い(5Pくらい)。

・冒頭で様々な時代と地域が具体的に説明される(『平成9年 中野』といったように)。

・主人公は小学生からサラリーマンまで多様。

・オチがない。幽霊なのか妖怪なのか人間なのか、異形のものに登場人物が出くわしたところで物語は唐突に途切れる。

・そういった異形のものに関しての説明は一切ない。

・裏表紙には「この物語は8割がフィクションです」という意味深な言葉。

買った帰りの電車の中でさっそく読みはじめる。

‥うん、

怖ぇ。

まさに「不安」。じっとりとしたイヤーな不安。髪洗ってて時々感じる背後の気配だったり、アパートの階段を登るときにやってくる嫌な予感だったり。そこだけを取り出したら物語は5ページでも十分足りるんですな。あー怖い。

オバケは出生の秘密や暗い過去がなくても、鮮明な登場シーンだけで存在感をばりばりと発揮できる。これはありそうでなかった、ひとつのスタイルかもしれません。

こういったかたちで、ある感情にだけスポットを当てた作品って他にもあるんだろうか。

不安に限らず、「後ろめたさ」、「爽快感」、「ノスタルジー」‥

同じスタイルでもいろいろな可能性がありそう。

追記:

この本を読んだ帰り道は、看板の文字や建物と建物の間の隙間、雲のかたちなどがやたらと気になりました。神経過敏です。

内田百間 『冥途』

  • 2009-03-31 (火)

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2008年の暮れくらいにAmazonで購入して、それからちまちまと読んでいる本です。主に休日にコインランドリーで読んでいます。ごうごうと鈍く鳴る乾燥機とぬるい空気がチルアウトを誘っていい感じです 笑

作者の正式なペンネームおよび略歴はwikipediaにも詳しく紹介されています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E7%99%BE%E9%96%93

 

僕がこの人を知ったのは、月並みですが映画「ツィゴイネルワイゼン」を観たことがきっかけでした。

まずこの映画に度肝を抜かれ、そこから文庫版の「サラサーテの盤」を近所の古本屋で発見し、ついに新品でこの挿絵入りの怪しげな本を手に取るまでに至りました。

正体不明のキャラクターや不条理な展開も魅力なんですが、とりわけ作者の空間記述が最高にぶっ飛んでいます。

ちょっと抜粋。一話めの「花火」より。

私はその灯を見ながら、女について行ったら、浅い砂川のほとりに出た。女がそのほとりを足早に伝っていった。しばらく行くうちに、砂川はじき消えてしまって、長い廊下の入口に出た。女がそこに、私を案内して這入った。

つるっと読めてしまうんだけど、この状況は明らかにおかしい。アウトドアとインドアの境目がない。

だけど文章の中では何の矛盾もなく成立してしまう。

内田百間(正式には門の中に月で『けん』と読む)の作品の中にはこういう記述が満載で、それらが作品の異常な空気感を形成する、文字通り「背景」になっています。

こういった表現は文章においてだけ本領を発揮するものじゃなくて、たぶん映像やウェブに置き換えてもかなりクールな表現になり得るんじゃないかと思います。水辺にいきなり板張りの長い廊下が現れる画は、めちゃくちゃかっこいい。

物語それ自体も面白いんですが、その中にいろいろな発想のヒントが溢れているスルメ作品です。

ヒアホン vol.1

先日創刊されたばかりの音楽雑誌、「ヒアホン」。

 

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発行人の佐々木敦氏は通っていた大学の非常勤講師でした。
氏の授業に顔を出せば、まず聴いたことのない音楽に出会うことができる。ジャンルが細分化されすぎた今も、どこにも属さない音楽ばかり持ってくる。
そんな佐々木氏が、こんな出版不況の中にあえて創刊する、ヒアホン vol.1。

表紙のコピーに負けず劣らず、かなり濃密な内容でした。そして字が小さい!! ほとんど紙のテクスチャとして認識されるほどの小ささです(笑)テキストフェチにはたまらんでしょう。

特にすごかったのは以下のふたつ。

 

 ひとつは創刊記念の座談会、RHYMESTER宇多丸氏/津田大介氏/濱野智史氏/佐々木氏による

「Perfume 初音ミク 相対性理論」。

宇多丸氏がいいフックになっているのか、シニカルにもならず。

「新しいし、みんな面白がってるけど、この流れは今後ずっと持続可能なものなの!?」という問いが座談会のキモです。

もうひとつは付録のスペシャルサンプラーCD。

これがホントに素晴らしかった。普通にこれだけに3000円払っても買う価値がありました。

とりわけ一曲目に収録されているバンド、oscillator(オシレーター)がナイス。Myspaceでも音源が聴けますので、ぜひどうぞ。

アルバム「わ・を・ん」以降の動きが気になっていたdetune.の新曲もよし。次回作も買わせていただきます。

 

「ヒアホン」は英語表記では”Hear Phone”ですが、カタカナ表記が正式名称です。
聴くために読む、読んだから聴く、聴いてからも読める」という表紙のコピー。「Hear本」ってことなんでしょう。

その他のコンテンツは

・坂本龍一ロング インタビュー

・アニマル・コレクティブ インタビュー

・RADWIMPS “アルトコロニーの定理” レビュー

・チャットモンチー “告白” 全曲解説

・J-POP研究室 YUKIの巻

などなど。

まだまだ面白い音楽はあります。

http://www.faderbyheadz.com/.

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