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ローファイの魔力

近所のバーで飲んでたときのこと。
店内でボブ・マーリーのライブ映像をYoutubeで観た。1970年代のライブらしい。
フィルムではなくビデオカメラで撮影された映像だったんだけど、
おそらくはテレビで放送されたものか、もしくはパッケージ化されたVHSのビデオソフトがコピー元で、
さらにそれをYoutubeにアップしたのだろう。映像は荒れまくっていた。
ランダムにノイズが発生したり、なんだか全体的に滲んで、ぼやけていたり。
 

なのだけど、その中でドレッドヘアーを振り乱しながら歌うボブ・マーリーや、ステージの上の黒人女性コーラス隊は、
なぜかとても神秘的な存在に見えた。
人間ではないような。それこそ幽霊や妖怪の類のような。
 

ふと、このライブ映像がもしフルHDの鮮明なものだったとしたら、こんな印象は抱かないんじゃないかと思った。
 

Instagramなんかもそうだけど、あえて「不鮮明」にすることで被写体をより魅力的にみせる手法が
あるんだと思う。情報をいくらか削ることで、謎が生まれたり現実離れしたものに見えたりする。
ノスタルジックに感じたりもする。幕末古写真ジェネレーターなんか、まさにそうだし、映画「リング」に出てくる「呪いのビデオ」も不鮮明だからこそ怖い。貞子がホラー映画界のアイドルとして大成功してしまったけど、あの映画で一番怖いのは「呪いのビデオ」の質感だと個人的には思っています。
 

これは映像や写真に限ったものでもないから、探していけばローファイの魅力に溢れたものはいたるところに見つかると思う。
古本屋で買った文庫本のがたついた文字や、大昔のブルースマンの演奏が収められたレコードや。意図せずに生まれているローファイ感を発見すると、なにかものすごいものに遭遇している感じがしてワクワクしてしまう。
 

音楽関連でそういった映像をちょこちょこ見ていたのだけど、とりわけこのレッド・ツェッペリンの「得体の知れない感」はすさまじかったので貼っておきます。
 

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